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撮影日誌・1日目(その4)

14:00。秩父郡小鹿野町の撮影場所に到着すると、現場の木陰を目にするなり、私たちは動き出してしまった。荷物を下ろし、風太がすぐにカメラポジションを探り始め、だいたいの位置が決まると、弥栄さんはマイクを据え、守屋は当たり前のようにハンモックを吊り始めた。


初めてのハンモックはなかなか思うように吊れず、四苦八苦する守屋を剛さんがテキパキと手伝ってくれたが、私の頭には、ロケ場所に着いたらまずやろうと思っていたことが何度もよぎった。それは、近くの川に行き、つま先だけでもいいから、みんなで土地の水に浸かることだった。弥栄さんとふたりで来たロケハンのとき、妙な気持ちの高ぶりがあって、それがいろいろな幸運を呼び込み、撮影場所をその日のうちに確保できた。その発端が、靴を脱ぎ、意味もなくふたりで川に入ったことにある気がしてならなかった私は、この日も、どうしてもみんなで川に入っておきたかった。


(つづく)


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